当日、会場近くの本屋さんに立ち寄ると店頭に工藤さんの著書が並んでいました。ご協力いただき感謝です。
300名ほどの来場者を前に工藤さんは演台を背に舞台の前に出て話し始めました。代表作「のはらうた」の生き物たちには皆、名前がありますが、かまきりりゅうじの「おれはかまきり」の朗読は面白かったです。
一編の詩でも工藤さんの声を通して沢山のかまきりに出逢えました。おじいさんかまきりになると名前はかまきりりゅうざえもんになり、かまきりりゅうこさんもいたり赤ちゃんかまきり、方言を話すかまきり、英語で話す知性的なかまきり・・・。
すっかりかまきりりゅうじくんが身近になりました。
「原作者の気持ちになってみる」という詩のこころが少しわかったような気がします。
息子さんが年中の時、雪国にいて宮沢賢治の「ゆきわたり」を読んだ事があるそうです。
子供にも使命感で聞かせるのはわかるようで親の方も「これ私大好き聞いて聞いて」と好きな気持ちを大事にしたそうです。「ピカピカの子供の時の感覚で好きなものを見つけると楽しい」というお話もうなずけました。
自然のドキュメント、図鑑も好きで、イカ、タコの赤ちゃん、青春時代のイカの話など、一生懸命な生き物の姿に心打たれるというお話しも聞きました。
まどみちおの「するめ」は、短い詩の中に泣いて、笑って、せつなさを感じ、じーんときたそうです。
私たちに向けて「今人間です、今水戸です。ひとりひとり全く違う。同じように生きて今同じ体験をしてても記憶や泣き笑い、せつなさ、一瞬の情景をしょっている。私も71回の春夏秋冬をしょっています」と少し詩的にお話しされていました。
「のはらうた」が生まれて20年記念集「子どものこころがつくるのはらうた」の出版にあたり小学生から26,000通きた応募作品を全部読んだ時は大変でも面白かったそうです。
賞もふくろうげんぞう賞とユニーク。かたつむりを持ってきた入賞者もいたそうです。
講演会に来ていた水戸市内の小学生をもつお母さんによると「ふきのとう」が教科書に載っているとか。
もう春ですね。私もこれから子供の卒園、入学、入園と節目の季節を迎えます。子供に戻った気持ちで、こころを磨いて子どもから見える世界も楽しみたいと思いました。
参加者から
「本の通りのお人柄がにじみ出たお話でした、工藤さんとの出会いを作っていただきましてありがとうございました。絵本子供達に沢山読んであげます」
といった内容の嬉しい春の便りも届きました。(あ)