

フォーラムは、保育園児の元気な合奏と歌でスタート。
茨城県自然博物館名誉館長の中川志郎さんは、「動物に見る子育てのヒント」とのテーマで講演しました。
中川さんは、生後間もなくペットとして売買されたり、哺乳瓶で人間に育てられた犬などが、母親との密接なかかわりや兄弟間で母親のおっぱいを争うという経験がなく、うまく自立できなかったり飼い主を噛むケースが増えていることを挙げました。
またライオンの授乳行為では、それを見守る父親の存在があることで母乳の出がよくなり、赤ちゃんの飲みっぷりもよくなることや、妊娠期間の長いゾウが、おばさんゾウの手助けを借りて子育てをすることを挙げ、子育ては母親だけで行うのではなく、周囲の精神的支えが必要だと説明しました。
他の動物が生後すぐに自力で歩けるのに、人間の赤ちゃんが歩けるのはこの世に出てきてから1年近くもたってから。
中川さんは「少なくともその1年間は、できる限り親がじっくり見守ってやってください。でも、もしそれができなかったとしても人間には元々育っていく力が備わっているし、気付いた時に親子のふれ合いを多く持ってください」とのメッセージを送りました。


東京のNPO法人「あそび環境Museumアフタフ・バーバン」による、親子参加プログラムでは、大人も子どもも一緒になって手をつなぎ、輪になってふれ合いを楽しんだり、会場内に隠した折り紙を探す宝探しゲームなどをしました。
大人の方が多かったにもかかわらず、幼児や小学生がリラックスして心から楽しそうに遊んでいた姿が嬉しく、そして、年齢も性別も関係なくこれほどの人数の大人で一緒に遊んだ経験は、非常に新鮮なものでした。(ち)